works
2018
2017
個展
石 木 水 Stone Wood Water
2017
木目模様が石の模様のようにみえるときがある。
それは木や石が水のようにうねり動いた模様であり、
木や石が成長した痕跡だ。
木にも石にも水のような模様があるのは面白い。
木は石のように硬質であると同時に水のような滑らかさがある。
また石にも硬さと柔らかさを感じる。
固いものにも柔らかな動きを孕んだ側面がある。
止まっているようにみえるものも常に動いている。
京芸 transmit program 2017
木の持つ独特の色・形・模様の面白さが近頃ようやく少しずつ感じられるようになってきました。
これまで私は木という素材と、自分が木を造形することとの結びつきが曖昧であることを造形の軸に据えて制作してきました。素材とそれに手を加える意識は本来結びつくはずのない二つのものであり、しかしそれらが奇しくも合わさることで造形は成りたっているのだと仮定することで造形の不思議を感じていました。
近頃、私は自分の造形を木や自然のなかにある「かたち」を表現するために用いることに面白みを感じます。かたちづくることをもっと素材としての木に、そして木が背負っている自然そのものに近づけていきたいと思うようになってきたのです。木、つまり自然にかたちが近づいていくような造形とはいったいどのようなものなのでしょうか?自然の「再現」でも「似姿」でもなく、木−自然のなかにあるなにか生きているかたちを造形としてつくることは可能なのか?
それは私にも分かりませんが、いま私は木の色や形・模様を使ってそのようなものをつくってみたいのです。
撮影:来田猛 提供:京都市立芸術大学
Photos by Takeru Koroda, courtesy of Kyoto City University of Arts
ひらく木 Open wood
2016 カツラ、クスノキ、 ケヤキ、 クリ、 ヒノキ、 イチョウ、 トチ、 ブビンガ、 ブラックウォールナット他
1300×660×150㎜
木が本来持っているかたちと木を彫ることで現れるかたちとの結びつきから生まれるイメージを作品にしました。
植物が芽吹いたり開花したりする様を木彫で表現しています。木を彫り配置することで木の持つ性質が「ひらいて」、
ある雰囲気が木の内部から引き出されることをテーマにしたいと考えたからです。
自分の作品は木に近づく方向と、離れる向きとの両方に向かう力を表しているのだと思います。
個展
落ちている宝石 Jewels on the roadside
2015
個展
壁に貼る幽霊 Ghosts on the wall
2014
壁面を飾る木彫群です。
壁に貼ることでモノに浮遊感が生まれます。「重さのない立体物」になります。
木の抜け殻のような、あるいは魂のみが残った木彫を表現しようと考えました。
とりたち Bird
2014 ケヤキ
粘土細工の鳥が木で彫られています。もしくは木で彫った鳥が粘土細工の性質を与えられたともいえるでしょう。
素材とかたちはお互いに無関係でありながらも作り手のなかで関連づけられ、この世にモノとして現れます。
鳥は木で彫られ、粘土で形づくられるべき動物だと思います。
蟹のマガジンラック Crab magazinerack
2013 クリ, 朱漆 1900×1900×650㎜
大きなマガジンラックの表面に浅いレリーフを施しました。赤い線は朱の漆です。
レリーフと漆の塗膜が一緒に板の表面に絵画を描き出します。
モノに内在する雰囲気や物語がその表面に浮き上がってきて、そのもの自信を語りだす様を表現しました。 蟹はその雰囲気のことです。
木と漆 今日の影 Shadow of the day
2013 木、漆
三枚の木彫レリーフに、その画面内の世界にできるであろう「影」を黒の漆で描き込んでいます。
木を彫ることでできる凹凸がつくるイメージと、その上に塗装として張り付いている漆がつくるイメージとは画像としては調和しているようですがその質感はまるでなじんでいません。木は木の質感が持つ世界に、漆は漆の質感が持つ世界に拠って存在しているからです。
木と漆を、それぞれの素材としての自立性を尊重して使ってみようという試みです。
ハナ廟 Hana's Mausoleum
2012 木、透け漆 300×300×160㎜
飼い犬、ハナのための廟。
髭替え人形 Bearded doll
2012 木、オイル、染料
頭部をいろいろな髭に付け替えて遊べるおもちゃ。
日光のちから Energy of sunshine
2011 木、カシュー塗料、ピアノ線、粘土 470×430×130㎜
日の光を受けて赤く輝くふたりの子供。